核家族は <未婚・アメリカ・家族>

子だけからなる家族。

アメリカの人類学者マードックの用語から生まれた。

日常的には「核家族化」などの用法で知られているが、マードック自身はまったく別の角度から「核家族普遍説」を唱えて学界の注目をひいた。

まず後者についてであるが、彼は、250の人間社会を比較検討し、核家族がそれ自体として存在することはもちろん、一夫多妻などの複婚家族、親夫婦・子夫婦同居などの拡大家族も、いわば分子としての核家族の集合体であり、その意味で核家族が、地域、時代を超えた普遍的な家族の構成要素であると主張した。

今日では、こうした主張が妥当しないことが多様な家族形態の存在から実証されてきている。

特定の家族形態を普遍的とすることで、その他の形態を逸脱とみなしてしまう危険性もある。

これとは別に、先に述べた社会現象としての核家族化が今日の社会問題となっている。

晩婚化や非婚化による未婚単身生活者の増大や高齢者のひとり暮らし、あるいは高齢の夫婦のみの世帯の増大、さらに離婚の増大などによる父子家庭や母子家庭の増大、加えて共働き夫婦や無子夫婦の増大など、今日では核家族形態の家族が標準的家族といえないほど多様化してきている。

それだけに子育てや高齢者介護など、かつては家族の責任で果たされてきた事柄が、今日では社会や地域の重要な福祉問題になっている。
update:2010年05月23日